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ホロレンジャーの戦いの記録

【書評】 アンドロイドは電気羊の夢を見るか? 著フィリップ・K・ディック

小説紹介のコーナー

私にも書評処女を捨てる日がきました。ド嬢と言われぬよう頑張っていこうと思います!

http://www.dreamcreation.co.jp/bernard/twic_shiori2.jpg


(私は神林派です)


本日紹介するのは,フィリップ・K・ディック著の代表作。


\「紙の本を読みなよ」/

サイコパスでは会話上でしか登場しなかった本作ですが,見て下さいこの表紙。

かっこいい…

以下あらすじ

長く続いた戦争のため、放射能灰に汚染され廃墟と化した地球。生き残ったものの中には異星に安住の地を求めるものも多い。そのため異星での植民計画が重要視されるが、過酷で危険を伴う労働は、もっぱらアンドロイドを用いて行われている。また、多くの生物が絶滅し稀少なため、生物を所有することが一種のステータスとなっている。そんななか、火星で植民奴隷として使われていた8人のアンドロイドが逃亡し、地球に逃げ込むという事件が発生。人工の電気羊しか飼えず、本物の動物を手に入れたいと願っているリックは、多額の懸賞金のため「アンドロイド狩り」の仕事を引き受けるのだが…。

まずは登場人物を紹介しましょう。

・リック・デッカート:おっぱいに始まり女性の容姿に深い造詣を持つハードボイルドなアンドロイド狩りを生業とする男。
・8人のアンドロイド:内2体は既に廃棄済み。曲者ぞろいの面子。別に加速装置とかはついていない。
・ジョン・イジドア:特殊者=ポンコツ
あんまりネタバレするのも良くないのでこの辺で留めておきます。


この話のメインテーマとは何か?

それは常に”人間とは何か”に焦点を置かれています。
本作では,進んだ科学技術によって最早アンドロイドと人間の区別がほとんど付かない世界であり,唯一有効であるとされるのがフォークト・カンプフテストと呼ばれる,生き物への感情移入能力を測る手法です。アンドロイドはこの点で合理的思考が強く生き物への感情移入能力が希薄です(クモの脚が8本なのを不思議がって4本でも歩けるんじゃないかって切っちゃったり)。ですがこの一点を除いてアンドロイドは非常に人間に近く,その性質が主人公リックを苦しめることになります。一方,リックのように知能が優れた適格者に対し人並以下の特殊者の烙印を押されたイジドアはそれでも仕事となると冷徹にこなしていくリックに対し,非常に感情豊かです。物語は常に立場も人としてのランクも異なるこの2人のアンドロイドへの見方を中心に進んでいきます。そして,読み進めるごとに繰り返し問われる人間とアンドロイドを隔てる境界そのものの曖昧さに読者自身も段々と自信の存在に不安を抱くのではないでしょうか。
PKDはこの後に,

を執筆します。本作のテーマと似通った点をもつこの作品は,ディックの考える人間についてより理解するきっかけになるんじゃないでしょうか。


蛇足

この本を元にした映画があります。

一部でカルト的な人気を誇るSF映画です。監督はあの”オデッセイ”を手掛けたリドリー・スコット監督。
当時にしては革新的な表現も多く,スコット監督の情熱が伝わる作品です。肝心のストーリーはというと,ハードボイルドVS哀しい宿命のレプリカントという雰囲気が色濃く押し出されており,原作の持つ哲学的問いかけからは少し脱線した気もします。しかし,現代のCGに慣れた人には正直あまり勧められないマニア向けの作品でもあるのでよかったら見てみてね!くらいに留めておきます。

蛇足2

こんな記事をみかけました
タイトルの夢というのは睡眠の夢というより目標の夢です。ですので,アンドロイドは電気羊を飼いたいと思うのか?というニュアンスですね

www.gizmodo.jp





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